論文紹介

2020年05月20日

本日は、脳神経内科からの症例報告がJournal of the Neurological Sciences誌に掲載されましたので、ご紹介します。

Morizumi T, Ueno A, Takasone K, et al. Elderly patient with 5q spinal muscular atrophy Type 4 markedly improved by Nusinersen. J Neurol Sci. (2020)

脊髄性筋萎縮症4型(SMA4)に対する核酸医薬品であるヌシネルセンの臨床的有効性を報告しました。遺伝学的検査では、SMN1にホモ接合性欠失が認められ、SMN2のコピー数は4コピーでした。発症後20年以上も経過していた恒例の患者さんにもかかわらず、投与後に、運動機能や日常生活動作が改善しました。
成人発症のSMA患者さんや高齢SMA患者さんにおいても、ヌシネルセンの髄腔内投与が臨床的に有効である可能性があり、今後の症例の蓄積が望まれます。
posted by 三内 at 00:00 | 論文・発表紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

論文紹介

2020年05月18日

先日に続き、リウマチ・膠原病内科より、マクロファージ活性化症候群と皮膚筋炎が合併した症例報告のご紹介です。著者の岸田先生に解説して頂きました。

Kishida, D., Sakaguchi, N., Ueno, K. et al. Macrophage activation syndrome in adult dermatomyositis: a case-based review. Rheumatol Int (2020).

マクロファージ活性化症候群(MAS)は、炎症性サイトカインの過剰産生によって発熱、肝脾腫、血球減少などをきたす症候群で、自己免疫疾患を背景に発症します。成人の皮膚筋炎に合併するMASの報告はこれまで18例と少ないものの、他の自己免疫疾患に伴うMASと比べ予後が悪く、副腎皮質ステロイドに加え免疫抑制剤、血漿交換、生物学的製剤などの積極的な治療を早期から十分行うことが必要と考えられました。また自験例を含めた19例中6例で抗MDA5抗体が陽性であり、同抗体はMASの発症に何らかの影響を与えている可能性が示唆されました。
posted by 三内 at 00:00 | 論文・発表紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

論文紹介

2020年05月15日

リウマチ・膠原病内科より症例報告です。著者の市川先生に解説して頂きました。

全身性エリテマトーデス(SLE)に合併した中枢神経原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma ; PCNSL)の報告は散見されていますが、中枢神経SLEに合併したPCNSLは本例が初報告です。既報例を含めてレビューし、Rheumatology Internationalにてpublishされましたので紹介します。

Ichikawa, T., Shimojima, Y., Kishida, D. et al. Primary central nervous system lymphoma in neuropsychiatric systemic lupus erythematosus: case-based review. Rheumatol Int (2020).


【症例の紹介とレビューの概略】
20歳台後半にSLEを発症した若年女性です。ループス腎炎、中枢神経SLEおよびループス腸炎を呈し、プレドニゾロンに加えてタクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミドで治療するも再発を繰り返しました。7年の経過でPCNSL(Epstein-Barr virus(EBV)陽性中枢神経原発B細胞性リンパ腫)を発症。腫瘍摘出術後に放射線治療を行い、リツキシマブおよびべリムマブ投与で寛解が得られました。
本例を含め、1972年から2019年までに報告された19症例をレビューしました。SLE患者におけるPCNSL発症の背景には、SLEの疾患活動性や関連臓器障害との因果関係が考慮されています。一方、SLEに合併するPCNSLではEBVの再活性化を介した様々な免疫介在性の発症機序が想定されており、長期にわたる免疫抑制療法の継続もPCNSLの発症に影響する可能性が示唆されます。本患者では外科的手術、放射線療法の後に自己反応性B細胞を標的にした治療を行い改善が得られましたが、本症の明確な病態背景は未だ不明な点が多く、今後も更なる症例の蓄積や関連研究が必要です。
posted by 三内 at 08:45 | 論文・発表紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第7回日本難病医療ネットワーク学会学術集会にて最優秀口演賞を受賞しました

2019年12月04日

2019年11月15、16日に博多にて第7回日本難病医療ネットワーク学会学術集会(会長 九州大学大学院医学研究院神経内科学 吉良潤一教授)が開催され、当科(難病診療センター併任)日根野晃代講師が最優秀口演賞を受賞しました。
演題は「在宅難病患者に対する情報共有システムを用いたオンライン診療の試み」です。これまでまつもと医療センターの中村昭則先生が携われてきた患者情報共有システムに、Web会議通信機能などオンライン診療に必要な機能を搭載し、患者さんの在宅の情報を共有しながらオンライン診療が行えるシステム開発を目指した試みです。


1.jpg
学会長の吉良先生から表彰状を受け取る日根野講師


現在、実証実験を開始(https://www.kicnet.co.jp/news/article/n191017/)しており、その様子は中日新聞でも取り上げられました。https://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20191114/CK2019111402000020.html
今後通院が困難な神経難病の患者さんなどが、在宅でも安心して医療を受けられる一つの方法になればと考えています。
posted by 三内 at 00:00 | 論文・発表紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

当科の研究発表が優秀演題賞を受賞しました

2019年12月03日

第37回日本神経治療学会学術集会(横浜市:学会長 亀井聡先生)において、当科所属の森泉輝哉医師らの発表演題「脳腱黄色腫症の自験例における治療効果」が、優秀演題賞を受賞いたしました。
脳腱黄色腫症では、早期介入が治療効果に影響する可能性があるため、疾患啓発の重要性が示唆された重要な知見を評価いただいたものと思います。おめでとうございます。

20191106_202403.jpg
表彰される森泉先生
posted by 三内 at 16:02 | 論文・発表紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする